2025年 国家総合職 問題18
行政法国の行政組織・公務員
【No. 18】国の行政機関に関するア~エの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
このページでは、妥当な記述(ア〜エ)を選んで判定します。
解説
解答すると、正解と解説が表示されます。
ア.誤答
内閣法は、内閣官房のほか、内閣に、必要な機関を置き、内閣の事務を助けさせることができると定めている。内閣の職務遂行を補助する機関には、ほかに内閣府、内閣法制局、内閣人事局、デジタル庁、こども家庭庁等があり、復興庁や国家安全保障会議は含まれない。
要点内閣に置かれる機関には、内閣府、復興庁、デジタル庁、国家安全保障会議などがある。
妥当でない。内閣には、内閣官房のほか、別に法律で定めるところにより必要な機関を置くことができ(内閣法12条4項)、内閣府、内閣法制局のほか、復興庁、デジタル庁、国家安全保障会議も、それぞれの設置法で内閣に置かれています。復興庁や国家安全保障会議が含まれないとする部分が誤りです。なお、内閣人事局は内閣官房に置かれる組織で、こども家庭庁は内閣府の外局です。
これらは、特定の省に属さず、内閣全体の立場から各省にまたがる事務を担わせるため、内閣に直接置かれています。
【内閣法 第12条第4項】
内閣官房の外、内閣に、別に法律の定めるところにより、必要な機関を置き、内閣の事務を助けしめることができる。
イ.誤答
内閣総理大臣は、内閣の重要政策に関して行政各部の施策の統一を図るために特に必要がある場合においては、特命担当大臣を置くことができる。特命担当大臣が置かれたときは、各省大臣は、分担管理する行政事務に係る各省の任務に関連する当該重要政策について、総合調整に関する事務を行うことはできない。
要点特命担当大臣が置かれても、各省大臣は重要政策の総合調整を行うことができる。
妥当でない。特命担当大臣の設置については、そのとおりです(内閣府設置法9条1項)。しかし、各省大臣も、分担管理する行政事務に係る各省の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、閣議決定された基本方針に基づき、総合調整に関する事務を掌理します(国家行政組織法5条2項)。特命担当大臣が置かれると各省大臣は総合調整を行えないとする部分が誤りです。
内閣の重要政策は複数の省にまたがるので、内閣府だけでなく、関係の深い省の大臣にも調整を担わせて、政策を各省の側からも統一するためです。
【内閣府設置法 第9条第1項】
(特命担当大臣)
第九条 内閣総理大臣は、内閣の重要政策に関して行政各部の施策の統一を図るために特に必要がある場合においては、内閣府に、内閣総理大臣を助け、命を受けて第四条第一項及び第二項に規定する事務並びにこれに関連する同条第三項に規定する事務(これらの事務のうち大臣委員会等の所掌に属するものを除く。)を掌理する職(以下「特命担当大臣」という。)を置くことができる。
【国家行政組織法 第5条第2項】
(行政機関の長)
2 各省大臣は、前項の規定により行政事務を分担管理するほか、それぞれ、その分担管理する行政事務に係る各省の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、当該重要政策に関して閣議において決定された基本的な方針に基づいて、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務を掌理する。
ウ.正答
内閣総理大臣によって任命される内閣の構成員たる国務大臣は、各行政機関の長として行政事務を分担管理する行政大臣としての地位を兼ねるのが原則であるが、各行政機関の長でなくいずれの行政機関にも属さない国務大臣を置くことも認められている。
要点国務大臣は主任の大臣を兼ねるのが原則だが、無任所大臣も置ける。
妥当である。各大臣は、主任の大臣として行政事務を分担管理するのが原則ですが(内閣法3条1項)、行政事務を分担管理しない大臣(いわゆる無任所大臣)を置くことも妨げられません(同条2項)。
内閣の重要政策の調整など、特定の省の所管に収まらない事務を担当させる必要があるためです。
【内閣法 第3条】
第三条 各大臣は、別に法律の定めるところにより、主任の大臣として、行政事務を分担管理する。
前項の規定は、行政事務を分担管理しない大臣の存することを妨げるものではない。
エ.誤答
国の行政機関として置かれる委員会及び庁は、省に、その外局として置かれるものであり、統計委員会等がある。また、重要事項に関する調査審議等学識経験を有する者等の議論により処理することが適当な事務をつかさどらせるため、国の行政機関に置かれる合議制の機関には、原子力規制委員会等がある。
要点統計委員会は審議会等、原子力規制委員会は外局の委員会である。
妥当でない。国家行政組織法上の委員会と庁は、省に外局として置かれますが(3条2項・3項)、内閣府にも外局として委員会と庁が置かれます(内閣府設置法49条1項)。また、統計委員会は外局ではなく、合議制の機関(審議会等。国家行政組織法8条)として総務省に置かれ、原子力規制委員会は、審議会等ではなく、環境省の外局として置かれる委員会です。例の組合せが逆です。
外局の委員会は、自ら行政処分などを行う独立性の高い行政機関で、審議会等は、調査審議などを担う合議体です。原子力規制委員会は、規制の権限を独立して行使させるため、外局の委員会とされています。
【国家行政組織法 第3条第2項・第3項】
(行政機関の設置、廃止、任務及び所掌事務)
2 行政組織のため置かれる国の行政機関は、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。
3 省は、内閣の統轄の下に第五条第一項の規定により各省大臣の分担管理する行政事務及び同条第二項の規定により当該大臣が掌理する行政事務をつかさどる機関として置かれるものとし、委員会及び庁は、省に、その外局として置かれるものとする。
【国家行政組織法 第8条】
(審議会等)
第八条 第三条の国の行政機関には、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、重要事項に関する調査審議、不服審査その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置くことができる。
【内閣府設置法 第49条第1項】
(設置)
第四十九条 内閣府には、その外局として、委員会及び庁を置くことができる。
この問題について
- 出典
- 人事院「令和7年度 国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)専門試験(多肢選択式)(法律区分)」No.18
人事院の試験問題を、公共データ利用規約(第1.0版)に基づいて加工し、掲載しています。 - 本試験から変えた点
- 本試験は、妥当な記述の組合せ(1〜5)から1つを選ぶ問題です。このページでは、妥当な記述を直接選んで判定します。
振り仮名を除いています。 - このサイトについて
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