2023年 国家一般職 問題17
行政法情報公開・個人情報
【No. 17】行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)に関するア~エの記述のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
このページでは、妥当な記述(ア〜エ)を選んで判定します。
解説
解答すると、正解と解説が表示されます。
情報公開法は、行政機関が持つ情報を公開させ、政府がその活動を国民に説明する責務を果たせるようにするための法律です(情報公開法1条)。その中心は、誰でも、理由を問わず、行政文書の開示を請求できる権利です。
対象となる機関の範囲、請求に対する決定の扱い、開示の方法、不服申立ての手続も、この目的から組み立てられています。
【行政機関の保有する情報の公開に関する法律 第1条】
(目的)
第一条 この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。
ア.正答
会計検査院と人事院は情報公開法の対象機関に含まれるが、国会と裁判所は同法の対象機関に含まれない。
要点会計検査院や人事院は対象機関だが、国会と裁判所は対象外である。
妥当である。情報公開法の対象となる「行政機関」には、内閣の所轄の下に置かれる人事院や、会計検査院が含まれます(情報公開法2条1項)。国会と裁判所は含まれません。
この法律は、国政を執行する行政機関に説明責任を果たさせるための法律なので、国会と裁判所を除く国の機関を広く対象にしています。会計検査院は内閣から独立していますが、国会・裁判所ではない国の機関として対象に入ります。
【行政機関の保有する情報の公開に関する法律 第2条第1項】
(定義)
第二条 この法律において「行政機関」とは、次に掲げる機関をいう。
一 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣府を除く。)及び内閣の所轄の下に置かれる機関
(略)
六 会計検査院
イ.正答
不開示決定は申請に対する拒否処分に当たるので、不開示決定に不服がある場合、請求者は、当該不開示決定の取消訴訟を提起することができる。
要点不開示決定は処分に当たり、取消訴訟を提起できる。
妥当である。開示請求に対する不開示決定は、申請に対する拒否処分に当たるので、請求者は、その取消しを求める訴え(取消訴訟)を提起できます(行政事件訴訟法3条2項)。審査請求をすることもできます。
開示請求は、法律が認めた権利の行使です。不開示決定は、その権利を認めないという行政機関の判断なので、行政上・司法上の救済を求められる処分として扱われています。
【行政事件訴訟法 第3条第2項】
(抗告訴訟)
2 この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下単に「処分」という。)の取消しを求める訴訟をいう。
ウ.誤答
行政文書の開示の方法は、電磁的記録については閲覧又は印刷したものの交付に限られる。いずれの方法で行うかは、開示決定をした行政機関の長が指定する。
要点電磁的記録の開示の方法は政令で定め、開示を受ける者が申し出る。
妥当でない。電磁的記録の開示は、閲覧や印刷物の交付に限られず、その種別や情報化の進展状況などを考えて政令で定める方法で行います(情報公開法14条1項)。また、どの方法で開示を受けるかは、行政機関の長が指定するのではなく、開示を受ける者が申し出ます(同条2項)。
記録の性質や媒体によって、開示の方法には技術的な制約があるので、方法の細目は政令に任せています。そのうえで、できるだけ請求者の便宜と要望にこたえられるよう、求める方法を請求者の側から申し出る形にしています。
【行政機関の保有する情報の公開に関する法律 第14条第1項・第2項】
(開示の実施)
第十四条 行政文書の開示は、文書又は図画については閲覧又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して政令で定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による行政文書の開示にあっては、行政機関の長は、当該行政文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。
2 開示決定に基づき行政文書の開示を受ける者は、政令で定めるところにより、当該開示決定をした行政機関の長に対し、その求める開示の実施の方法その他の政令で定める事項を申し出なければならない。
エ.誤答
開示決定等又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長は、情報公開・個人情報保護審査会に諮問することができる。この場合、諮問をしたか否かを審査請求人に通知する必要はない。
要点審査会への諮問は原則として義務で、諮問した旨を通知しなければならない。
妥当でない。開示決定等や開示請求に係る不作為について審査請求があったときは、裁決をすべき行政機関の長は、審査請求を却下する場合などを除き、情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなければなりません(情報公開法19条1項)。また、諮問をしたときは、審査請求人などにその旨を通知しなければなりません(同条2項)。
開示するかどうかの判断を、当事者である行政機関の自己評価だけに任せず、第三者的な立場の審査会の意見を踏まえることで、より客観的で合理的な解決を図るためです。通知を受けた審査請求人などは、審査会に意見書や資料を出すことができます。
【行政機関の保有する情報の公開に関する法律 第19条】
(審査会への諮問)
第十九条 開示決定等又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、情報公開・個人情報保護審査会(審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長が会計検査院の長である場合にあっては、別に法律で定める審査会)に諮問しなければならない。
一 審査請求が不適法であり、却下する場合
二 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る行政文書の全部を開示することとする場合(当該行政文書の開示について反対意見書が提出されている場合を除く。)
2 前項の規定により諮問をした行政機関の長は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。
一 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第十三条第四項に規定する参加人をいう。以下この項及び次条第一項第二号において同じ。)
二 開示請求者(開示請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
三 当該審査請求に係る行政文書の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
この問題について
- 出典
- 人事院「令和5年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)専門試験(行政区分)」No.17
人事院の試験問題を、公共データ利用規約(第1.0版)に基づいて加工し、掲載しています。 - 本試験から変えた点
- 本試験は、妥当な記述の組合せ(1〜5)から1つを選ぶ問題です。このページでは、妥当な記述を直接選んで判定します。
振り仮名を除いています。 - このサイトについて
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