2023年 国家一般職 問題14
憲法国会の活動と権能
【No. 14】国会に関するア~エの記述のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
このページでは、妥当な記述(ア〜エ)を選んで判定します。
解説
解答すると、正解と解説が表示されます。
ア.誤答
常会の会期は150日間であるが、会期中に議員の任期が満限に達する場合には、その満限の日をもって会期は終了する。また、常会の会期の延長は認められていない。
要点常会の会期は150日間で、両議院一致の議決で1回に限り延長できる。
妥当でない。常会の会期は150日間で、会期中に議員の任期が満限に達するときはその日に終わる、という前半は正しい記述です(国会法10条)。しかし、常会の会期も、両議院一致の議決で延長でき、延長は1回までです(12条)。
国会は会期の間だけ活動し、会期中に議決されなかった案件は、原則として次の会期に引き継がれません(68条)。そのため、審議が終わらないときに備えて、会期の延長が認められています。延長できる回数は、常会は1回、特別会と臨時会は2回です。
【国会法 第10条】
第十条 常会の会期は、百五十日間とする。但し、会期中に議員の任期が満限に達する場合には、その満限の日をもつて、会期は終了するものとする。
【国会法 第12条】
第十二条 国会の会期は、両議院一致の議決で、これを延長することができる。
会期の延長は、常会にあつては一回、特別会及び臨時会にあつては二回を超えてはならない。
【国会法 第68条】
第六十八条 会期中に議決に至らなかつた案件は、後会に継続しない。但し、第四十七条第二項の規定により閉会中審査した議案及び懲罰事犯の件は、後会に継続する。
イ.誤答
憲法改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議することとされているが、両議院の意見が一致しないときは、衆議院の優越が認められる。
要点憲法改正の発議には各議院の総議員の3分の2が必要で、衆議院の優越はない。
妥当でない。憲法改正の発議には、各議院の総議員の3分の2以上の賛成が必要で(日本国憲法96条1項)、両議院の意見が一致しないときに衆議院の優越を認める規定はありません。
憲法改正は国の基本の決まりを変えるものなので、両議院のそれぞれでの総議員の3分の2以上という広い合意と、国民投票での承認を求めています。衆議院の優越は、予算など決まらないと国政が進まない事柄で決着をつけるための仕組みで、慎重さが求められる憲法改正には置かれていません。
【日本国憲法 第96条第1項】
第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
ウ.正答
国会の会期中に議決に至らなかった案件は後の会期に引き継がれることはないとする原則を「会期不継続の原則」といい、国会法は同原則について定める条文を置いている。
要点会期中に議決されなかった案件は後会に継続しないと、国会法が定めている。
妥当である。国会法68条本文は、会期中に議決に至らなかった案件は後会に継続しない、と定めています(会期不継続の原則)。ただし、閉会中に委員会が審査した議案と懲罰事犯の件は、後会に継続します(同条ただし書、47条2項)。
通説では、国会は会期ごとに独立して活動し、意思を決めるものと解されており、会期が終われば、議決されていない案件は消えるのが原則です。閉会中審査をした議案は、審査を続けることが議院の議決で決められているので、例外として引き継がれます。
【国会法 第68条】
第六十八条 会期中に議決に至らなかつた案件は、後会に継続しない。但し、第四十七条第二項の規定により閉会中審査した議案及び懲罰事犯の件は、後会に継続する。
【国会法 第47条第2項】
常任委員会及び特別委員会は、各議院の議決で特に付託された案件(懲罰事犯の件を含む。)については、閉会中もなお、これを審査することができる。
エ.正答
両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
要点両議院は、総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事・議決ができない。
妥当である。両議院は、それぞれ総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができません(日本国憲法56条1項)。この、会議を開くのに必要な最低限の出席の数を、定足数といいます。
議院は全国民を代表する議員で組織されるので(43条1項)、ごく一部の議員だけで議事を開いて決めたことを、議院の意思とすることはできません。そこで、一定数の議員の出席を、議事と議決の条件にしています。
【日本国憲法 第56条第1項】
第五十六条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
【日本国憲法 第43条第1項】
第四十三条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
この問題について
- 出典
- 人事院「令和5年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)専門試験(行政区分)」No.14
人事院の試験問題を、公共データ利用規約(第1.0版)に基づいて加工し、掲載しています。 - 本試験から変えた点
- 本試験は、妥当な記述の組合せ(1〜5)から1つを選ぶ問題です。このページでは、妥当な記述を直接選んで判定します。
振り仮名を除いています。 - このサイトについて
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